夕方5時前ころ、木漏れ日がバス停を照らしていて美しい。ここの山側を仰ぎ見ると、お寺が見えた。望遠で撮ると絶好だと思って登ってみたが、足場がなくて断念。引き上げようとするとお墓参りから帰路につくご婦人がいた。バスの待ち時間が40分あった。声をかけると耳が遠いとの返事だったので、雑談をするため筆談を交わしてみる。撮影許可をもらってからもコミュニケーションを続けた。メモ帳をめくるのとシャッターをおすのが交互になった。
この取材は自宅から自分の車で向かった。途中の高速のパーキングで、フィルムの入ったバッグを忘れていたことに気づいて、引き返すか?どうするか?迷った末、現地で購入することにして、県庁のある静岡市で高速を一度降りて量販店で、モノクロフィルムを購入した。覚えていることは、入手できたが10本程度購入すると、売り場に在庫は無くなっていた。もう既に世間的には、フィルムを利用している方は、少数派だったわけである。
この前日、焼津で、旧知の地元メンバーと食事をして焼津ローカルのビジネスホテルに宿泊した。食事会は撮影のための情報を得るためでもあった。3人男性二人と女性一人だった。昨年だったと記憶しているが、この時一緒だった男性は鬼籍に入った。まだ70歳の若さだった。
昨年2022年1月にやってきた。その当時をほとんど変化が無かった。このご婦人も自転車の学生もまた通るような気がしたが、絶対にありえないと思った。
変化ないように、見受けたが、地名が変更になり、藤枝市に編入されていた。このように変化が無いってありえないのかも?前述の男性もしかりであり、諸行無常であると思った。
余談だが、取材後(初訪後)、新聞記事で知ったことだが、この辺りは伊勢物語の在原業平が東に下るときに、
通過したとの言い伝えがあるそうである。なんだか身近に感じることができた。再訪の1月なのに昼間は暖かくて、気持ちよかった。さすが静岡県であると思った。
*この取材から約3年後の2009年正月に岡部町は藤枝市に合併となった。